NZやサモアなどオセアニアがラグビーで強いのはなぜ?歴史と地理を紐解いてみた

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さてさて、ラグビーワールドカップイングランド大会が開催中ですね!

次の日本の対戦相手は10月3日のサモア!今からわくわくです。

(ちなみに、日本代表のジャージーのデザインと愛称、エンブレムの意味についてはこちらの記事にまとめましたので、ご参照くださいませ。)

 

…しかし、ラグビーのにわかファンである私などは、「ん?サモア?って、南の島国だよね?そんなトロピカルアイランドでなんでラグビーやってるの??」という疑問が即座にわいてきてしまいます。というわけで今回は、サモアやニュージーランドなどオセアニアのラグビー人気の理由とラグビー強国が多い理由について、ちょっと調べてみました!

ラグビー世界ランキングでのオセアニア各国の順位

オセアニア

まずは、2015年9月現在のラグビー世界ランキングでのオセアニア各国の順位をご紹介しましょう。

1位:ニュージーランド
2位:オーストラリア
・・・
9位:フィジー
10位:サモア(今度の日本の対戦相手ですね!)
・・・
14位:トンガ

…というわけで、ラグビー発祥の地イングランドを抑えて、1位と2位をニュージーランドとオーストラリアが独占しています。本家のイングランドは3位ですね。

更に、なかなか他のスポーツでは名前を聞かないフィジーやサモア、トンガといったメラネシアの国々も20位以内にランクインしています。

(ちなみに、世界ランキングトップ10の国々のエンブレムの意味と愛称について、こちらの記事にまとめましたのでぜひご覧ください!)

うーん、これには何か理由があるに違いない!というわけで、次にオセアニアでのラグビー人気とその強さの理由を調べてみました。

ラグビー強国にオセアニアの島国が多いのはなぜ?

オセアニアの国々について前知識を少し

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えーとですね、オセアニアと言っても、あまりなじみがないかもしれないので、先に簡単に紹介しますね。

オセアニアは、英語で書くと「Oceania」。このように「ocean(海)」から地名が来ていることからも分かる通り、太平洋の海に島々が浮かぶ、海がメインの地域です。

そんなオセアニアは、次のように大きく2つに分けられます。赤字がラグビー強国です。

  • 二大強国オーストラリアニュージーランド
  • その他の小さな島国
    • ミクロネシアの国々(サイパン・グアムなど比較的日本に近い地域)
    • ポリネシアの国々(キリバスなど一番太平洋の真ん中あたりに近い地域)
    • メラネシアの国々サモア、フィジー、トンガなどオーストラリアとニュージーランドに近い地域)

地政学的には、とにかく政治経済でも圧倒的に強いオーストラリアニュージーランドが目立ちます。ラグビーでも二強ですよね!

で、その他の島国でラグビーが強いのは、やはりオーストラリアとニュージーランドに近く、関係性も強いメラネシアの国々ですね。世界ランキング9位のフィジー、10位のサモア、14位のトンガです。

一方で日本代表は、今回南アフリカに勝利したことでランキングが11位に上昇しましたが、それでもまだフィジーとサモアよりも格下です。(ちなみに、日本代表のエンブレムの意味やジャージーのデザインの由来などについてはこちらの記事にまとめましたので、ぜひご覧ください!)

地図で見るとこんなかんじです。赤い枠線で囲んである国々が、上記のラグビー強国です。

oceania

参考:sid.co.jp/_src/sc560/oceania.jpg(赤線は筆者)

地理的に見ても、オーストラリアとニュージーランドに近いのがよく分かりますね!

というわけで早速、上記の国々でラグビーが強い理由をご紹介しますね。ここでは、ニュージーランドとオーストラリア、及び、メラネシアの国々(フィジーなど)の2つに分けて取り上げます。

ニュージーランドとオーストラリアが強い理由

イギリスの植民地統治政策の一環として

一言で言えば、「イギリスの植民地統治政策の一環として、教育のためにラグビーが積極的に推進されたから」という理由になるそうです。

「植民地政策」なんて、中学校や高校の世界史で聞くくらいかもしれませんが、どうやらこれがラグビーの普及にだいぶ関係があるようなんです。

というのも、ラグビーがプレイされ始めた19世紀後半には、イギリスは極めて積極的に世界中の植民地化を推し進めていました。(「植民地時代」というのは、ぶっちゃけて言えば、イギリスやフランスをはじめとする西ヨーロッパ諸国が問答無用の「早い者勝ち土地取り合戦(キリスト教布教付き)」を世界中で繰り広げていた時代のことですよね。ちょっとぶっちゃけ過ぎかもしれませんが…)

で、オーストラリアとニュージーランドはまさにイギリスの植民地でしたよね。植民地での「開発」を円滑にすすめるためには、よい人材の教育が必要になります。特に、オーストラリアは当時の政治犯などの流刑地でしたので、余計に「教育」の必要があったのでしょう。

先日日本が破った南アフリカもラグビー世界三強の一角ですが、やはりイギリスの植民地でしたよね。

ラグビーの教育効果

そこで、教育の一環として利用されたのがラグビーだったという話があります。

ラグビーでは激しい肉体的負荷がかかると同時に、頭を使うことも求められます。知性と技術と体力を兼ね備えた人間を育てるために活用されたのが、ラグビーなのです。

またイギリスが植民地化した世界中の地域でも、ラグビーは広められていきました。ラグビーはその成り立ちからして人材育成に直結した競技であり、当時まだ未開の地だった各地で、肉体的にも精神的にもたくましく、かつ自律でき、組織で機能できる人材を育む上で、うってつけだったのです。

出典:ラグビー校が発祥? 意外と知らないラグビーの歴史

ラグビーはイギリス本国の思惑通り(?)、オーストラリアとニュージーランドで順調に普及し、いまやかつての宗主国イギリスを凌ぐほどの実力を持つようになっていますね。

ニュージーランドとオーストラリアでのラグビー人気

特にオーストラリアやニュージーランドでは、もはやラグビーは国技と言えるほどで、子どもたちはほぼ100%ラグビーを経験して大人になると言われるほど、文化として根付いているとのこと。そうなると、もともと運動能力の高い子どもたちが将来ラグビー選手を志す確率も格段に高くなるので、人材の確保も非常にしやすくなりますよね。

またオーストラリアでは、例えばラグビーとサッカーの代表名の違いにも、だいぶ人気の差を感じさせられます。ラグビーユニオンのオーストラリア代表は「ワラビーズ」、ラグビーリーグのオーストラリア代表は「カンガルーズ」と、オーストラリアを象徴する有名な動物が取り入れられています。(ちなみに、ラグビーユニオンとラグビーリーグは、微妙にルールが違う別の競技になります。)

しかし、サッカーのオーストラリア代表は「サッカルーズ(Socceroos)」というどうも手抜きしたような二番煎じのネーミング。FIFAのサッカー世界ランキングでも、61位(2015年9月)とふるいません。ちなみに日本は58位です。

というわけでまとめると、オーストラリアとニュージーランドでは、「イギリスの植民地統治政策の一環としてラグビーが取り入れられ、どんどん奨励され普及していったこと」と、「ラグビーが文化として根付いているため運動能力の高い選手がラグビーを選ぶ確率が高いこと」が、現在のラグビー強国につながる理由だといえそうです。

サモアやフィジーなどのメラネシアの国々が強い理由

ニュージーランドやオーストラリアとの密接な関係

一方で、サモアやフィジーなどのメラネシアの国々が強い理由としては、イギリスの植民地統治政策の一環として…というよりは、やはり「オセアニアの二大強国オーストラリアとニュージーランドに地理的に近く、政治経済的にも関係が深い」ということが理由として挙げられそうです。

特に、ニュージーランドとは地理的により近いこともあって、ラグビーの選手の行き来も多いですよね。

また、サモアやフィジー、トンガなどのラグビー代表も、ニュージーランド代表の有名な闘いの踊り「ハカ」と似た踊りを試合前に披露しますよね。ただこれは、「ニュージーランド」や「サモア」などといった「国民国家」としての共通性というよりは、植民地化される以前より住んでいたマオリなどの人々の伝統が共通しているということになりますね。

ちなみに、ちょっと画質が荒いですが、ニュージーランドとサモアとフィジーのハカがこちらの動画にまとめられています。どれもかっこいいんですよね!!すっごくパワフル!

これらのニュージーランドのハカとサモアのシヴァタウ(ハカの現地語)の歌詞の意味についてはこちらの記事にまとめましたので、ぜひご参照下さい。

メラネシアでのラグビー普及の歴史

更にラグビーが普及した歴史も、ニュージーランドやオーストラリアとの関係の深さを物語っています。

例えばサモアの場合は、20世紀初頭前後にまだドイツの植民地だった頃、ニュージーランド人の宣教師によってラグビーがもたらされたといいます。サモアもニュージーランドのちょうど北あたりにありますものね。

ちなみに、サモアの特産品や有名人などについてはこちらの記事にまとめましたので、ぜひご覧ください!なかなか強烈で面白いです。

一方、フィジーにおけるラグビーの歴史はもっと長く、19世紀後半にイギリス人とニュージーランド人、そして国外に遠征に出ていたフィジー人兵士によってもたらされたようです。そして10年もたたないうちにメディアの注目を浴びはじめ、巷でもプレイされるようになりはじめたとのこと。

フィジーでは、最初のうちはサッカーと競合していましたが、20世紀初頭までにはラグビー人気を不動のものとして今に至るそうです。

というわけでまとめると、サモアやフィジーなどのメラネシアの国々の場合は、「ニュージーランドとオーストラリアとの関係性が深く、相乗効果的にラグビーの実力を高めてきた」、というのがラグビー強国の所以であろうと思われます。

 

こうしてみてみると、スポーツの人気を紐解いていくことで、各国の歴史や文化にもつながっていくことがよく分かりますね。庶民の側から見る社会史というのはとても面白いです。

ずいぶん長くなってしまいましたが、今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

 

ちなみに、ラグビー初心者の方で、ファーストジャージーとセカンドジャージー(オルタネイトジャージー)の違いがよくわからん、という方は、こちらの記事にまとめましたのでぜひご参照くださいね!

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ではでは、今回もお付き合いいただき、ありがとうございました♪

今日も皆さまに何かいいことがありますように (^^)


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